家のリフォームや解体で出てきた、古びた水栓金具。
「もう価値なんてないだろう」と、処分を考えていませんか?
実は、その古い水栓が思わぬ価値を持つ「お宝」かもしれません。
こんにちは、元大手ハウスメーカー勤務の住宅設備アドバイザー、田中誠です。
私はこれまで数千件の住宅に携わる中で、デザインや年代によって驚くほどの価値を持つアンティーク水栓を見てきました。
この記事では、単に捨てるのではなく、その価値を正しく見極め、賢く手放すためのプロの視点をお伝えします。
諦める前に、ぜひご一読ください。
【この記事の結論】古い水栓金具は買取できる?
| 疑問・知りたいこと | 結論・ポイント |
|---|---|
| 古い水栓金具は本当に買取できる? | はい、買取できる可能性が高いです。デザインやブランド、素材によっては思わぬ高値が付くこともあります。 |
| どんな古い水栓金具が買取で高値になる? | 「有名海外ブランド(グローエ等)」、「デザイン性の高いもの(アールデコ調、陶器ハンドル等)」、そして「真鍮(しんちゅう)製」のものは特に価値が期待できます。 |
| 買取先はどこが良い? | まずは「住宅設備専門の買取業者」に査定を依頼するのが最も確実です。付属品を揃え、綺麗に掃除しておくと査定額アップに繋がります。 |
| 買取に出す前の注意点は? | 水栓の取り外しは無理せず「専門業者」に依頼しましょう。また、突然訪問してくるような悪質な買取業者には注意が必要です。 |

諦めないで!古い水栓金具が売れる3つの理由
「古い水栓なんて、ただの鉄くずでしょ?」そう思われるかもしれません。
しかし、古い水栓にはあなたが思っている以上の価値が眠っている可能性があります。
ここでは、古い水栓金具が売れる3つの主な理由を解説します。
1. 「アンティーク・ヴィンテージ」としてのデザイン価値
古いからこそ価値が出る、それがアンティークの世界です。
水栓金具も例外ではありません。
特定の時代に作られたデザインや様式の水栓は、現代の製品にはない独特の魅力を持っています。
例えば、曲線が美しいアールデコ調のデザインや、重厚感のあるインダストリアルデザインの水栓は、リノベーション市場で非常に人気があります。
私が以前担当した古民家再生プロジェクトでは、施主様の強い希望で、あえて70年代のレトロなデザインの水栓を探し出し、設置した経験があります。
このように、特定の空間の雰囲気を決定づけるアイテムとして、古い水栓は高い需要があるのです。
2. 「有名メーカー・デザイナーズ」としてのブランド価値
TOTOやLIXIL(旧INAX)といった国内の有名メーカーの製品はもちろん、海外の高級ブランドの水栓にも価値があります。
特に、現在は廃盤になってしまった人気モデルや、著名なデザイナーが手掛けた希少品は、コレクターや特定のファンから根強く支持されています。
例えば、ドイツのGROHE(グローエ)やHansgrohe(ハンスグローエ)、アメリカのKOHLER(コーラー)といったブランドの古いモデルは、その品質の高さと時代を超えたデザイン性から、中古市場でも高値で取引されることがあります。
昔の製品は、今の製品にはない重厚な作りをしていることも多く、その品質自体がブランド価値となっているのです。
3. 「素材」としての価値(真鍮など)
たとえ水栓としての機能が失われていても、諦めるのはまだ早いです。
水栓金具の多くは、真鍮(しんちゅう)や砲金(ほうきん)といった価値のある金属で作られています。
これらは金属スクラップとして買い取ってもらえる可能性があります。
真鍮は銅と亜鉛の合金で、美しい金色が特徴です。
2026年1月現在、金属価格は高騰傾向にあり、真鍮スクラップの買取価格も1kgあたり数百円から千円を超えることもあります。
【プロのワンポイント:真鍮の見分け方】
- 磁石を近づける
真鍮は磁石につきません。もし磁石がくっつく場合は、鉄にメッキを施したものである可能性が高いです。- 表面を削ってみる
表面がメッキで覆われていても、ヤスリなどで少し削ってみて中から金色が見えれば、それは真鍮製の可能性が高いです。
このように、デザイン、ブランド、素材という3つの視点から見れば、古い水栓は決して「ただのゴミ」ではないことがお分かりいただけるでしょう。
【プロが解説】価値が付きやすいアンティーク水栓の特徴とメーカー
では、具体的にどのような水栓に価値が付きやすいのでしょうか。
ここでは、プロの視点から価値あるアンティーク水栓を見分けるためのチェックポイントを解説します。
見た目で判断!デザイン・様式のチェックポイント
まず注目すべきは、そのデザインです。
時代を象徴するような特徴的なデザインの水栓は、高値が期待できます。
| デザイン・様式 | 特徴 | 人気の理由 |
|---|---|---|
| アールデコ調 | 幾何学的な模様、直線と曲線の組み合わせが特徴的。1920〜30年代に流行。 | クラシックで高級感のある空間にマッチする。 |
| インダストリアル | 工業製品のような無骨でシンプルなデザイン。バルブハンドルなどが特徴。 | ヴィンテージ感のあるカフェ風インテリアなどで人気。 |
| グースネック | 白鳥の首のように優雅な曲線を描く吐水口。 | デザイン性が高く、シンク周りを華やかに見せる。 |
| 陶器ハンドル | ハンドル部分が白や黒の陶器で作られている。 | 清潔感とレトロな可愛らしさがあり、女性に人気。 |
| 和風(青銅製など) | 緑青の浮いた青銅製や、竹を模したデザインなど。 | 古民家や和モダンな空間に欠かせないアイテム。 |
これらのデザインに共通するのは、細部にまでこだわりが感じられる点です。
ハンドルの形状や吐水口の曲線美など、細部にこそ職人の技術やデザイナーの意図が宿っており、それが価値につながります。
国内外の主要ブランドとシリーズ
次に、価値が期待できる国内外の主要なブランドをご紹介します。
ハウスメーカー勤務時代、設計士たちがこぞって探していたモデルも含まれています。
国内主要ブランド
- TOTO
日本を代表する住宅設備メーカー。特に古いロゴマーク(Toyotokiロゴなど)の製品は、希少価値が高まる傾向にあります。- LIXIL (INAX)
TOTOと並ぶ国内大手。旧INAX時代のロゴが入った製品、特にデザイン性の高いシリーズは根強い人気があります。- KAKUDAI (カクダイ)
ユニークでデザイン性の高い水栓を多く手掛けるメーカー。遊び心のある古いモデルはコレクターズアイテムになることも。
海外主要ブランド
- GROHE (グローエ) / Hansgrohe (ハンスグローエ) (ドイツ)
世界的に有名な高級水栓ブランド。ミニマルで洗練されたデザインと高い機能性で知られ、古いモデルでも価値が落ちにくいのが特徴です。- KOHLER (コーラー) (アメリカ)
独創的でエレガントなデザインが魅力。特に鋳物ホーロー製品と合わせたシリーズは、統一感を求めるユーザーから高い需要があります。- DELTA (デルタ) (アメリカ)
革新的な技術とデザインで知られるブランド。特にタッチセンサー式の水栓などをいち早く取り入れたメーカーで、初期のモデルなどに価値が付くことがあります。
これらのブランドの廃盤になったシリーズは、修理部品としての需要や、そのデザインを愛するファンからの需要があり、思わぬ高値が付くことがあります。
刻印やロゴでメーカーと年代を特定する方法
水栓の価値を判断する上で、メーカーと製造年代の特定は非常に重要です。
本体のどこかに、必ずヒントとなる刻印やロゴが隠されています。
チェックすべき場所:
- ハンドルの根元や裏側
- 吐水口の付け根部分
- 水栓本体の裏側や側面
ここにメーカー名やロゴ、時には型番が刻印されています。
古い製品の場合、現在のロゴとは異なるデザインが使われていることが多く、それが年代を特定する大きな手がかりとなります。
例えば、TOTOの旧ロゴ「Toyotoki」や、INAXの旧ロゴなどは、それだけでヴィンテージ品としての価値を持つ可能性があります。
もし刻印が見つけにくい場合は、スマートフォンで様々な角度から写真を撮り、拡大して確認することをお勧めします。
「見つけにくい場所にあることが多い」と覚えておきましょう。
古い水栓金具の買取相場と売却方法
価値があることは分かったけれど、「一体いくらで、どうやって売ればいいの?」という疑問が湧いてきますよね。
ここでは、具体的な買取相場と、あなたに合った売却方法について解説します。
買取価格の目安は?状態と種類別の相場観
水栓金具の買取価格は、その状態、ブランド、デザイン、そして素材によって大きく変動します。
一概に「いくら」とは言えませんが、おおよその目安は以下の通りです。
| カテゴリ | 買取相場の目安 | 詳細 |
|---|---|---|
| 金属スクラップとして | 数百円~数千円 | 機能しない、デザイン的価値も低いが真鍮などの素材でできている場合。重さによって価格が決まります。 |
| 中古品として | 数千円~10,000円前後 | TOTOやLIXILなどの国内メーカー品で、まだ使用可能な状態のもの。未使用品であればさらに高値が期待できます。 |
| 人気ブランド・希少品として | 10,000円~数万円以上 | GROHEやKOHLERなどの海外高級ブランド品や、国内メーカーの廃盤人気モデル、デザイン性の高いアンティーク品など。 |
これはあくまで目安です。
実際に、ヤフオクなどのオークションサイトでは、希少なアンティーク水栓が5万円以上で落札されているケースも見られます。
まずは専門家による査定を受けて、お持ちの水栓の正確な価値を把握することが重要です。
どこに売るのがベスト?3つの売却先のメリット・デメリット
売却先にはいくつかの選択肢があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
ご自身の状況に合わせて最適な方法を選びましょう。
| 売却先 | メリット | デメリット | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|
| 住宅設備専門の買取業者 | ・専門知識が豊富で、価値を正しく評価してくれる ・アンティーク品やブランド品の査定に強い ・他の住宅設備もまとめて売却できる | ・業者の数が限られている ・一般的なリサイクルショップより査定基準が厳しい場合がある | ・海外ブランド品や希少価値のありそうな水栓を持っている人 ・正確な価値を知りたい人 |
| リサイクルショップ | ・店舗数が多く、気軽に持ち込める ・その場で現金化できることが多い | ・専門知識がないスタッフが多く、価値を見誤られる可能性がある ・アンティーク品は安く買い叩かれるリスクがある | ・国内メーカーの比較的新しいモデルを売りたい人 ・とにかく早く手放したい人 |
| フリマアプリ・ネットオークション | ・自分で価格設定できるため、高値で売れる可能性がある ・デザイン性を好む個人に直接アピールできる | ・出品、梱包、発送の手間がかかる ・買い手とのトラブルのリスクがある ・売れるまでに時間がかかることがある | ・商品の価値を自分で判断でき、手間を惜しまない人 ・デザインに自信のある水栓を持っている人 |
私の経験上、価値が分かりにくいアンティーク品や海外ブランド品は、まず「住宅設備専門の買取業者」に相談するのが最も確実です。
そこで値段が付かなかった場合に、フリマアプリでデザイン性をアピールして売る、という流れが賢い選択と言えるでしょう。
査定額をアップさせるための3つのコツ
少しの手間をかけるだけで、査定額が大きく変わることがあります。
プロが査定時に見ているポイントを踏まえた、3つのコツをお教えします。
1. 自分でできる範囲で綺麗に掃除する
長年の水垢やホコリは、査定員への心証を悪くします。
柔らかい布や中性洗剤を使って、優しく磨き上げましょう。
ただし、研磨剤入りのクレンザーは表面を傷つける可能性があるので避けてください。
見た目の印象は査定額に直結します。
2. 取り外した際の部品を揃える
取り付け用のナットやパッキン、ワッシャーなど、取り外した際に付属していた部品は、可能な限りすべて揃えておきましょう。
次に使う人がスムーズに設置できるため、部品が揃っているだけで価値が上がります。
取扱説明書や元箱があれば、さらに高評価です。
3. メーカーや型番がわかる情報を添える
査定の際に、メーカー名や型番が分かっていると、査定員はスムーズに価値を判断できます。
事前に調べた情報をメモにして添えたり、刻印部分の写真を撮っておいたりするだけで、「この人は商品の価値を理解している」と認識され、丁寧な査定につながりやすくなります。
「少しの手間で査定員の心証が大きく変わる」これは、私が多くの現場で見てきた事実です。
注意!売却前に確認すべきポイントとトラブル回避策
価値ある水栓を安全に、そして納得のいく価格で手放すためには、いくつか注意すべき点があります。
思わぬトラブルに巻き込まれないための、プロからのアドバイスです。
取り外しは専門業者に依頼するのが安全
DIYが流行していますが、水栓の取り外しは専門的な知識と工具が必要です。
特に古い建物の場合、配管が劣化していることが多く、無理に力を加えると配管を破損させてしまう危険性があります。
もし壁の中の配管を折ってしまった場合、修理費用は数万円から十数万円に及ぶことも。
無理に外そうとして水栓本体を傷つけてしまっては、元も子もありません。
安全と確実性を考えれば、取り外しは水道業者などのプロに任せるのが一番です。
悪質な買取業者を見分けるポイント
残念ながら、買取業者の中には悪質な業者も存在します。
大切な資産を守るために、以下の特徴を持つ業者には注意してください。
- 突然訪問してくる
アポイントなしに訪問し、「何か売るものはないか」と聞いてくる業者は要注意です。- 査定内容を詳しく説明しない
なぜその査定額になったのか、内訳を明確に説明できない業者は信頼できません。- 契約を急かす
「今決めないとこの値段では買い取れない」などと契約を急かし、冷静な判断をさせない手口です。- 古物商許可番号を提示しない
中古品の売買には、公安委員会の「古物商許可」が必須です。 業者のウェブサイトや店舗に許可番号が明記されているか必ず確認しましょう。
安心して依頼できる業者を選ぶには、複数の業者から見積もりを取り、対応や査定内容を比較検討することが重要です。
売れない場合の適切な処分方法とは?
残念ながら、すべての水栓に値段が付くわけではありません。
買取が難しいと判断された場合は、適切な方法で処分する必要があります。
多くの自治体では、水栓金具は「不燃ごみ」や「小さな金属類」として分類されます。
ただし、サイズが大きいものや自治体によっては「粗大ごみ」扱いになる場合もあります。
処分する前には、必ずお住まいの自治体のホームページやごみ出しのルールブックを確認し、正しい方法で処分してください。
よくある質問(FAQ)
ここでは、お客様からよく寄せられる質問にお答えします。
Q: 壊れていても、水漏れしていても売れますか?
A: はい、売れる可能性は十分にあります。水栓としての機能がなくても、デザインに価値があればアンティーク品として、また真鍮などの素材でできていれば金属スクラップとして買い取ってもらえます。まずは諦めずに専門家に見てもらうことをお勧めします。
Q: TOTOやLIXILといった普通のメーカーの古い水栓でも価値はありますか?
A: 価値が付くケースは多いです。特に現在は廃盤になっているモデルや、特定の時期にしか製造されなかったデザインのものは、希少価値から高値が付くことがあります。ロゴが現在のものと違う古い製品は、一度調べてみる価値があります。
Q: 買取査定の前に、自分で修理した方が良いですか?
A: いいえ、専門知識がない状態での修理は避けるべきです。かえって状態を悪化させたり、オリジナルの価値を損なったりする可能性があります。清掃は丁寧に行うべきですが、修理はせず、現状のまま査定に出すのが基本です。
Q: どんなデザインのアンティーク水栓が人気ですか?
A: 例えば、白や黒の陶器製ハンドルが付いたもの、真鍮の色合いが美しいもの、白鳥の首のような優雅な曲線を描く「グースネック」と呼ばれるデザインなどが人気です。 古民家カフェや洋館風の住宅リノベーションで需要が高い傾向にあります。
Q: 査定を依頼する際に必要なものは何ですか?
A: 水栓本体と、もしあれば取り外した際の部品一式です。加えて、メーカー名や型番がわかる写真やメモ、取扱説明書などがあれば、よりスムーズで正確な査定が期待できます。出張買取や店舗への持ち込みの場合は、本人確認書類も忘れずに準備しましょう。
まとめ
古い水栓金具は、ただの不用品ではなく、歴史やデザインが詰まった価値ある資産かもしれません。
今回ご紹介したように、アンティークとしての価値、ブランド価値、素材価値という複数の視点から見直すことで、思わぬ収入につながる可能性があります。
大切なのは、すぐに諦めずにその価値を正しく評価してくれる専門家へ相談することです。
この記事が、皆様のご家庭に眠る「お宝」を見つけ出す一助となれば幸いです。
ご自宅の設備で気になることがあれば、いつでもご相談ください。
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