施主支給で買った洗面台が壁に収まらなかった。工務店に「支給品は受け付けない」と言われ、トイレが箱のまま玄関に置いてある。通販に返品を頼んだら、開封済みは不可と断られた。施主支給の余りは、こうして手元に残ります。
建材・住宅設備の買取専門店レコテックです。当店を運営するRebroの買取事業全体でも、個人のお客様が売りに来るきっかけの上位に「新品を購入したが使わなかった・サイズ違い」「施主支給・DIYの余り」が入っています。
この記事では、施主支給でなぜ余りが出るのか、余ったあとに返品・売却・処分をどの順で考えるか、買い取る側が査定で何を見るかを書きます。
この記事の結論
施主支給の余りは、寸法・規格の不一致、工事店の受付条件、数量や注文の行き違いで生まれます。通販にクーリング・オフはなく、開封後は返品できないことが多いので、返品期限→未使用品として売却→処分の順で考えてください。
- 返品できるかは購入店の返品特約で決まる。到着後7〜8日・未開封・仕様指定品でないことが条件になりやすい
- 開封して確認しただけの未使用品は、当店では査定の対象。取り付けた品は中古品になり扱いが変わる
- 査定で見るのは外箱・付属品・シール跡。現場で箱にシールを貼らせない、同梱物を元に戻す
施主支給のトラブルで設備が余る・使えなくなる典型パターン
施主支給は、施主が自分で設備を買い、工事店には取り付けだけを頼む方式です。本体を安く買えるかわりに、設備を選ぶ責任も、寸法や規格を現場に合わせる責任も施主側に移ります。余りが出るのは、だいたい次の3つのどれかです。
寸法とモジュールの読み違い。洗面台の間口、トイレの排水芯
洗面台は、間口(横幅)の決まり方がシリーズごとに違います。LIXILの洗面化粧室のラインアップを見ると、500・600・750・900mmといった規格サイズから選ぶ商品もあれば、50mm単位と間口調整材で壁の内寸に合わせる商品もあります。規格サイズの商品を買うなら、壁と壁の内寸と型番の間口を照らし合わせてください。合わないと、隙間を埋める造作が必要になります。
トイレは「排水芯」です。床排水の便器は、壁から排水管の中心までの距離で設置できる機種が決まります。TOTOリモデルサービスの用語解説によると、1995年以降の物件は大半が排水芯200mmで、それ以外の物件はアジャスターで調整できるリフォーム対応便器を選ぶことになります。ショールームでおおよその寸法を書いてもらっただけで発注し、現場で取り付けられなかった相談も見かけます。
買い取る側から見ると、どのパターンで余ったかより、箱を開けたか、取り付けたか、外箱が残っているかで出口が変わります。当店の査定でも、この3点を確認します。
配管・電源・取り付け方式の不一致。配管径、100Vと200V、引掛けシーリングと直結式
エアコンは容量によって配管の径が変わり、機種が決まらないと壁の穴の位置も決められません。電源も機種ごとに100Vと200Vがあり、コンセントの形まで違います。日立のサポートページでは、100V15Aは平行型、100V20Aはアイエル型、200V15Aはタンデム型、200V20Aはエルバー型と分かれています。差し間違いを防ぐための形なので、合わなければ電気工事になります。
水栓は、取付穴の径や給水管の接続規格が合わずに付けられないことがあります。輸入品は日本の規格と違うことが多く、部品を替えて何とか付けた例も、諦めた例もあります。水栓を別で買うつもりでキッチンを「水栓なし」で注文したら、天板に穴が空いていなかった、という失敗も聞きます。
照明は、天井の引掛けシーリングに差し込むタイプなら自分で付けられます。壁の配線に直接つなぐブラケットライトやダウンライトは電気工事が要り、「直結式の支給材は受けない」と言う業者が少なくありません。
数量・品番・配送のミス。左右違い、予備分の余り、誤配送と二重注文
コンロの左右やレンジフードの幅を1つだけ間違える。右勝手と左勝手を取り違える。品番の末尾1文字の違いで、現場では使えません。
内装材や部材は、職人は加工ロスや割れを見込んで多めに頼みます。施主が図面から数量を拾うと、足りないか余るかのどちらかになりがちです。通販で違う商品が2回続けて届いた、同じ品を二重に注文した、という話もあります。
余ったものが未開封か開封済みかで、このあとの道が分かれます。返品の話と売却の話は、あとの章で順に書きます。
工務店やハウスメーカーに「施主支給品は受け付けない」と断られる理由
施主支給を認めるかどうかは会社ごとに違います。断られる理由はおおむね3つで、どれも工事店の気分の問題ではなく、責任の問題です。
製品不良か施工不良か分けにくい。メーカー保証の責任分界
メーカー保証は、取り付けの仕方が原因の故障を対象にしていません。LIXILのトイレの製品保証では、施工説明書と違う方法の工事や取付が原因の故障、建物の柱・壁・床の変形など製品以外が原因の不具合は保証の対象外です。保証書に取付日と取扱店名の記入がないと有料修理になります。
支給品が動かなくなったとき、製品のせいか工事のせいかを切り分けるのは工事店です。自分で仕入れていない製品の責任を負う形になるので、「責任が取れない」と断る会社があります。「施主支給は本来ルール違反」と工務店に言われた、「保証の範囲外」という条件つきで取り付けてもらった。工事店が断る理由には、この保証責任の切り分けのほかに、取り付けの手間賃や管理の費用の問題も混ざっています。
資格が要る取り付けは「持ち込み」が難しい。電気工事と給水装置工事
コンセントの増設や専用回路、照明の直結は、電気工事士の資格がないとできません。経済産業省の電気工事の安全のページによると、資格なしでできる「軽微な工事」は、差込み接続器やソケットへのコードの接続、電気機器の端子への電線のねじ止めなどに限られます。給水管に直結する器具の工事も、水道法第16条の2により、水道事業者が指定する給水装置工事事業者の施工が給水の条件になることがあります。単独水栓の取り替えのような軽微な変更は例外ですが、どこまでが例外かは地域の水道事業者に確認が要ります。
つまり、支給品の多くは「自分で付ける」という逃げ道が狭いのです。工事店は取り付けの手間賃だけで責任を負うことになり、「接続代だけでは設備屋の儲けにならない」と言われた施主もいます。
搬入と保管の負担。車上渡し、現場保管、保管料
通販の大型品は車上渡し・軒先渡しが多く、家の中や現場への搬入は自分でやるか、別料金です。トイレやキッチンを夫婦2人で運べるか、という相談は珍しくありません。現場に置いた品が汚れたり壊れたりすれば、引き取りを求められます。キッチンの保管料として高額を提示された例もあります。
断られたあとの選択肢は、取付のみを受ける別の工事店を探す、返品する、売る、の3つです。当店は断られて残った設備でも1点から査定を受け付けていて、未使用品は査定の対象です。ただ、売る前にまず返品できるかを確かめてください。順番は次の章で書きます。
施主支給品は返品できる?通販にクーリング・オフはなく、返品特約しだい
施主支給品の多くは通販で買います。お客様都合の返品に応じる義務は、通販にも店頭にもありません。返品できるかは購入店の条件しだいで、これを知らずに買う人が多いです。
通販にクーリング・オフはない。返品できるかは販売者の表示で決まる
国民生活センターの見守り新鮮情報にあるとおり、通信販売はクーリング・オフできません。サイズの選び間違いのようなお客様都合の返品は、販売者が広告や注文の最終確認画面に表示している「返品特約」で決まります。不良品や注文と違う商品が届いた場合は別の扱いなので、開封後でも販売店に連絡してください。消費者庁の特定商取引法ガイドでは、返品特約の表示がない場合に限り、商品を受け取った日から8日以内なら送料を自分で負担して返品できる、と説明しています。
国民生活センターが挙げている事例は、サイズ違いの靴でした。サイズが違っても、通販は返せるとは限らない。住宅設備でも同じです。
メーカー公式通販でも「お客様都合の返品は原則不可」。手配が始まるとキャンセルもできない
LIXILストアの案内では、お客様都合の返品・交換は原則受けていません。注文から60分を過ぎ、商品の手配が進んでいればキャンセルも変更もできません。パナソニックの公式通販(Panasonic Store Plus)は到着後8日以内なら返品を受けますが、一度でも開封した商品、色や仕様を指定したカスタマイズ商品は対象外で、搬入できない・設置できない場合もお客様都合の扱いです。
返品条件は店と商品で違います。ホームセンターの通販でも、到着後7日以内の連絡を求め、開封品や取付工事の対象商品をお客様都合の返品から外している店があります。仕様を指定した品と、手配が始まった注文は、返品が難しいと考えておいたほうがよいです。
検品のために開けると返品できなくなる。「開封済み・未使用」の行き先
施主支給の注意点として「届いたら検品を」とよく言われます。一方で通販側は「開封後は返品不可」。両方を守ると、サイズ違いに気づいた時点で返品の道が閉じていることが多いです。
買い取る側から見ると、ここは別です。開封して中身を確認しただけの未使用品は、当店では査定の対象として見ます。査定では、外箱・付属品・取扱説明書がそろっているかを見ます。取り付けてしまった品は中古品になり、品目や状態で扱いが変わるので、まず写真で相談してください。開封の線引きはDIYの余り建材の記事でも書いています。
返品できない施主支給品の出口。返品→売却→処分の順で考える
返品できないと分かったら、次は売却、それも無理なら処分です。この順番を飛ばすと損が大きくなります。
まず返品期限を確かめる。届いた日から数えて何日目か
返品できるかは、購入店が定める期限内か、未開封か、仕様指定品でないか、がまず分かれ目です。期限を到着後7日や8日と短く区切る店があるので、届いた日から数えてください。返品できる場合は、返金額から送料や手数料を引いた金額を、売却したときの手取りと比べて決めてください。
工務店に断られた、サイズ違いに気づいた。その時点で購入店の返品条件を見てください。届いた荷物の受け取りを拒否しても契約の解除にはならないので、届いてしまったあとは返品の手続きが必要です。
売れるもの・値がつきにくいもの。型番で値段が決まる設備は売りやすい
売りやすいのは、型番で値段が決まる設備の未使用品です。現行品で外箱と付属品がそろっていれば、1点でも査定に出せます。
| 売りやすい | 値がつきにくい |
|---|---|
| 水栓金具、ウォシュレット、洗面ボウルの未使用品 | ペーパーホルダー1個など単価の低いもの |
| 照明器具、換気扇、インターホン | 販売から年数が経った型落ち品 |
| コンセント・スイッチなど配線器具(箱単位) | 壁紙・床材・タイルの半端な量 |
Rebroの買取事業全体で、買い取れなかった理由は「単価が低い」「販売から随分経った商品」の2つがほとんどでした。
相場はモデルチェンジで動きます。当店の価格は、自社の再販実績と中古市場の相場、同業の買取価格を見て更新しているので、保管している間にモデルチェンジがあれば、同じ未使用品でも査定額が下がることがあります。古い商品にプレミアがつく場合もありますが、狙って待つものではありません。1年前に買った照明や水栓も未使用なら査定の対象ですが、使わないと決めたら早めに出すほうが安心です(参考:住宅設備の売り時)。買い取った品はECサイト、個人間取引、法人への販売に回ります。未使用の現行品ほど次の買い手がつきやすく、値段もつけやすいわけです。
まとめ売りのコツや型番リストの作り方は、DIYの余り建材の記事に書いたので、ここでは省きます。
値がつかないものは処分へ。自治体の分別と工事店への引き取り依頼
値がつかないものは処分です。粗大ごみか不燃ごみかの区分は市区町村で違い、電気製品は小型家電回収の対象になる場合があります。家庭用エアコンは家電リサイクル法の対象なので粗大ごみには出せず、購入店や自治体の案内に従った手続きが要ります。工事店が交換で出した品や梱包材は、産業廃棄物の扱いになることがあるので、工事店に引き取りを頼めるか聞いてみてください。配線器具の捨て方はコンセント・延長コードの捨て方、リフォームで外した品は外した住宅設備は売れるのかで書いています。
順番をまとめると、返品できるか確かめる、無理なら未使用で型番のある設備かを見て査定に出す、どちらも無理なら処分、です。迷ったら型番で査定に出してみて、金額を見てから決めても遅くありません。
施主支給品を売るときに査定で見られるところ。外箱・付属品・シール跡
当店の査定で、額が下がる理由として多いのは3つです。汚れ・傷・使用感、付属品の欠品、新品の場合は外箱の汚れやシールの剥がし跡。施主支給品を売る場合、取り付けていなければ外箱と付属品で差がつきます。
新品の外箱は「商品の一部」。シールを貼らない、剥がさない、現場で汚さない
新品の外箱は商品の一部です。工務店が現場で品番シールや養生テープを箱に貼ることがあります。売る可能性があるなら、箱に手を加えないよう頼んでください。剥がした跡が残るだけで減額の理由になります。
車上渡しで屋外に置かれた、現場保管で雨や土がついた。中身が未使用でも、箱の状態で減額になることがあります。付属品(取付金具、リモコン、取扱説明書、保証書)の欠品も減額理由の2番目です。開封して確認したあとは、同梱物を元の箱に戻しておいてください。
「開けただけ」か「取り付けた」か。状態は正直に申告する
当店は写真の事前査定で金額を出し、査定後の減額をしない取引にしています。そのために、状態は細かく申告してもらっています。中古品なら事前の動作確認もお願いしています。未使用品でも「開封済み」「保護シールを剥がした」「一度仮置きした」は伝えてください。査定後に相違があれば、こちらから速やかに連絡します。
取り付けた品は中古品です。買取できるかは品目と状態によります。使用済みのウォシュレットは衛生商品なので買い取っていません(詳しくはTOTOウォシュレットの記事)。それ以外は写真で相談してください。
型番と製造年を伝える。写真査定に出すときの3点
伝えてほしいのは型番、製造年、数量の3つです。型番は外箱の品番ラベルか本体の銘板にあります。型番リストや写真を送ってもらえれば一括で査定でき、事前査定のうえ当店指定の方法なら全国送料無料です。
写真は次の4枚を目安に用意してください。
- 外箱の品番面
- 箱を開けた状態
- 付属品一式
- 本体の銘板
価格は、価格.comやモノタロウなどの流通価格から作った目安価格データと、再販実績・中古相場をもとに出します。住宅設備の買取一覧の型番ページにある価格は目安で、査定額は品番(シリーズ・色)、個数、パッケージの有無で変わります。
よくある質問(FAQ)
Q: 施主支給で買ったトイレや洗面台のサイズが合わなかった。返品できますか?
通販にクーリング・オフはなく、返品できるかは購入店の返品特約で決まります。未開封で購入店の期限内なら受ける店がありますが、お客様都合は送料が自己負担です。仕様を指定した品や手配が始まった注文は不可が原則です。返品できなければ、未使用品として売却を検討してください。
Q: 工務店に「施主支給品は受け付けない」と断られました。買ってしまった設備はどうすれば?
まず返品期限を確認してください。期限内で返品できるなら、送料や手数料を引いた返金額と、売却したときの手取りを比べてください。過ぎていれば、取付のみを受ける別の工事店を探すか、未使用品として売却します。当店は1点からでも査定を受け付けています。
Q: 外箱を開けて中身を確認しただけです。未使用でも中古扱いになりますか?
通販の返品では「開封済み」として断られることが多いです。買取では別で、当店は開封して確認しただけの未使用品も査定の対象として見ます。外箱・付属品・取扱説明書がそろっているかで査定額が変わります。取り付けた、水や電気を通した品は中古品で扱いが変わるので、写真で相談してください。
Q: 配管部品や取付金具が足りない(または余った)。本体だけでも売れますか?
本体だけでも査定はできますが、付属品の欠品は査定額が下がる理由の2番目です。手元にある同梱物はすべて元の箱に戻して出してください。逆に、余った部材だけでは単価が低く、値がつきにくいことが多いです。
Q: 1年前に買って保管していた照明や水栓は、未使用なら買い取ってもらえますか?
未使用で外箱・付属品がそろっていれば査定の対象です。ただし相場はモデルチェンジで動き、価格は再販実績や中古相場を見て更新しているので、保管中に査定額が下がることがあります。使わないと決めたら早めに出してください。型番で目安価格を調べてから判断してください。
Q: トイレやキッチンのように重い物を自分で運べない場合、どうやって売るのですか?
事前査定のうえ当店指定の方法なら、全国送料無料で宅配買取ができます。大型品の発送方法と、システムキッチンのような組み立て品を扱えるかは品目によるので、型番と写真で先に相談してください。
まとめ
施主支給の余りは、寸法・規格の不一致、工事店の受付条件、数量や注文の行き違いで生まれます。買ってしまったあとは、返品期限、未使用品としての売却、処分、の順で考えてください。通販にクーリング・オフはなく、開封後は返品が難しいことが多いですが、買取では開封しただけの未使用品も対象になります。
売るなら、外箱に手を加えない、付属品を元に戻す、型番・製造年・状態を正直に伝える。この3つで査定額が変わります。
型番と写真はLINE査定で送れます。お名前を出さずに聞きたい場合は、匿名査定フォームに型番・数量・状態を入力してください。売るかどうかは、金額を見てから決めてください。